【ジョギング】故障しないランニングフォーム
画像は2018年12月30日に開催された富士山女子駅伝のフジテレビの中継で、猛追をかける大学生女子トップクラスの実力を持つ大東文化大学・関谷夏希選手が、松山大学・河内彩衣琉選手をとらえたシーンです。突然ですがここで問題です。どちらが、関谷選手でしょうか?(ユニフォームで大学名が分かっちゃいますね汗)
正解は左の緑のランニングにオレンジのパンツの選手が関谷選手です。
この問題を、大学女子駅伝に詳しくない陸上経験者を含む6人に出したところ、見事に全員不正解でした。全員に右の選手を選んだ理由を確認したところ、「軸がしっかりしてる」「足が真っ直ぐに出ている」などを理由にしていました。つまり裏を返せば、大学女子駅伝界トップクラスの実力を持つ関谷選手のフォームの方が、ランニングフォームとして粗く見えるということになります。
ランニングフォームは、走力アップや故障予防には大切なこととされていますが、実力者であるはずの関谷選手がこの評価。上半身の使い方は関谷選手の方が柔らかで肩甲骨がしなやかに動き上手とは思いますが、実は私も関谷選手の足の動きを見る限り、将来が楽しみな選手だけに故障が気になってしまう点があり気がかりです。
今回は、関谷選手のランニングフォームから故障しにくいランニングフォームについて考えていきます。
足の土台「土踏まず」の強さがランニングフォーム全体に影響する
まず始めに実力者であるはずの関谷選手のフォームが、軸がぶれて、足が曲がって見える理由について見ていきます。注目して欲しいのは足首です。
関谷選手の足首は、河内選手に比べて「くの字」に曲がっているように見えます。これは土踏まずのアーチの強さの違いです。足の接地の一瞬を見る限りでは、関谷選手の土踏まずは、接地の衝撃で潰れやすく、そのためつま先が外向きになり、足首が傾き脛の骨・太ももの骨に捻じれが生じています。この捻じれは上半身のブレにもつながります。事実、関谷選手は左右にリズミカルに揺れる独特なランニングフォームをしています。
一方、河内選手は足の接地の土踏まずの状態だけを見れば、しっかりと衝撃を跳ね返して推進力に変えて、足首を突っ張り脛の骨・太ももの骨が捻じれることなく真っ直ぐ後ろに蹴り出しています。それなので、上半身も軸が入ったようにピンと伸びています。
この違いが2人の選手のフォームの大きな違いで、6人の方たちは冒頭のような判断をしたわけです。
■【ひざ痛で不安を抱えるランナーへおすすめのオーダーメイド矯正インソール】
土踏まずのアーチの歪みから広がる体の不調
関谷選手のような足の使い方は、実はひざ・股関節・腰などに徐々に負担を蓄積して故障の原因になりやすいのです。
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・『正しく歩けば不調が消える! 1日300歩ウォーキング』新保泰秀(日本文芸社)より❛
足底腱膜炎などの足の裏の痛みや外反母趾・扁平足
まず土踏まずのアーチが崩れることで、足の裏の足底腱膜が常に伸ばされた状態になるので、足底腱膜の付着するかかとの骨の辺りが痛くなる足底腱膜炎などのリスクが高まります。これを無理して走り続けると、かかとの足底腱膜に引っ張られる部分が尖がりだして、骨棘というトゲになってしまうケースもあります。
また、土踏まずのアーチの崩れは、外反母趾・内反小趾・扁平足・開帳足・浮指など、足の変形となって現れてくるケースもあります。「自分に合う靴がない」「足の甲の幅が広がってきた」などと感じている人は、気を付けた方がいいでしょう。
足首を挫きやすくなったりアキレス腱炎などの痛みの原因にも
土踏まずがのアーチが崩れると、かかとの骨(踵骨)が傾き、それを補正するように足首が「くの字」に曲がり、脛の骨(脛骨)が捻じれます。この動きは、足首の負担となるため、足首の痛みやアキレス腱炎などの原因となるケースがあります。また、かかとの骨が傾くと、足をくじきやすくもなるので捻挫をしやすくなります。足をくじきやすい人はお気を付け下さい。また脛骨が捻じれると、地面を蹴るのに本来はふくらはぎの大きな筋肉「下腿三頭筋」を使いたいところを、細長い脛の筋肉「前脛骨筋」を使うようになります。それなので、長時間走るとスネが痛くなりやすい人は、脛骨を捻じっている可能性があるといえます。
変形性膝関節症やランナー膝などの膝の痛み
更に前脛骨筋の捻じれは、太ももの骨・大腿骨の捻じれへと連動します。この時にひざ関節に摩擦が起きるので膝の負担となり、ひざ痛のリスクが高まります。そして、脛骨の捻じれにより前脛骨筋の負担が増えたのと同様に、太ももの外側の筋肉の負担が高まり、腸脛靭帯炎などのひざの外側の痛みが起こりやすくなります。前脛骨筋や大腿筋膜張筋などの、足の外側の筋肉が比較的発達している人は、普段のウォーキング・ランニングでこのように足を捻じっている可能性があるので気を付けましょう。
股関節痛やお尻のハリ・腰痛
大腿骨は骨盤と連結して股関節を形成しています。ですから、大腿骨の捻じれは股関節に摩擦を起こし、股関節痛の原因になります。こうして生じる股関節の歪みは骨盤を前傾させるので、腰が反りやすくなります。これは腰痛の原因になります。地面を蹴る時に足にこのような捻じれが起こりやすい人は、お尻の筋肉も必要以上に使ってしまいます。走ったり、長時間歩いた後にお尻の筋肉が張りやすい人は要注意です。
肩こり・首こり・顎関節症など上半身の不調にも
そして、このような足の歪みの左右差は、骨盤の左右の高低差を生み、そのバランスを取るように背骨が蛇行するので姿勢が悪くなり、肩の高さが変わったり、顔の位置が左右のどちらかに偏ったりしてきます。人によっては左右の輪郭差となって出てくることがあります。このような負担の蓄積は肩こり・首こり・背中の張り・顎関節症などの原因になります。
このように、土踏まずのアーチの歪みが実は足の問題だけでなく、全身の問題へ波及して、腰痛やひざ痛などのランナーを悩ませる故障に結びつくことがあります。
幸い関谷選手の故障のニュースは今まで見ていないので、痛みに強い素質があり、今はまだ故障として現れてはいませんが、今後も日本屈指のトップランナーとして走り続けていくには、長い目で見ていくとさまざまな部分に負担が蓄積してはいないかと懸念してしまうのです。
【土踏まずの強化法①】足指のグーパー体操
それではこのように土踏まずのアーチが歪みやすいランナーは、故障防止のためにどのような対処をすれば良いのでしょうか。
まず一つ目は足指のグーパー体操です。土踏まずのアーチが弱っている人は、足の指を握ったり広げたりする力が弱っています。それなので、足の指を動かす筋肉を鍛えると、土踏まずのアーチの力が戻ってきます。
日頃から走るなどの運動習慣がある人でも油断は禁物です。当院で見ている小学生のサッカー少年のグループや、高校生の陸上競技部長距離選手のグループでも、土踏まずの痛みやひざ痛・臀部痛などの故障を繰り返す子どもほど、指を自由に動かすことができない傾向にあります。現代人は裸足で駆け回ることがなくなり、靴の中で足の指一本一本を意識することなく足を使っています。それなので、筋力不足以前に、足の指を自分の意志で動かせない人も大変多くなってきています。それなのでグーパー体操をする時は、早くなくてもいいので、自分の足の指の最大限の可動域を目視しながら行うと、足指の筋力を鍛えつつ足の指をコントロールする脳からの指令が届きやすくすることができます。1回1回確実に行うようにしましょう。
【土踏まずの強化法②】土踏まずのマッサージ
土踏まずのアーチの弱い人に行って欲しいことの2つ目は、土踏まずのマッサージです。土踏まずの機能が低下している人は、足の裏が固くなっています。足の裏の筋肉は、筋膜でふくらはぎと繋がっているので、土踏まずを柔らかくすることはアキレス腱炎や断裂を防ぐためにも重要です。ボツボツした足つぼマットなどは、痛くて乗ることができないという人は土踏まずが固くなっている証拠です。青竹踏みなどを行って足の裏を柔らかくするようにしましょう。お風呂上りだと、筋肉が温まって緩むので踏みやすくなります。
それでも、青竹踏みや足つぼマットなどに全体重をかけると痛くて立ってられないという人には、イスに座った状態でゴルフボールを土踏まずで踏んで、ゴロゴロ転がすようにマッサージする方法がオススメです。この方法なら、体重のかけ方を加減できるので痛すぎることはありません。痛すぎるのを無理して行うと、かえって痛くなったり、筋肉が硬直してしまうので、イタ気持ちいいくらいの刺激で行うようにしましょう。
更に、足の指の裏側の筋肉も筋膜で土踏まずと繋がるので、指の裏をマッサージすることは足の裏が固い人には効果的です。足の指一本一本を丁寧につまんで伸ばしたり、指の裏を少し力を込めてこするようにマッサージをすると、土踏まずのマッサージとの相乗効果が出てきます。特に固まっている指の裏は、強めに押すとツーンとした痛みが出ます。そうしたところは念入りに押してみて下さい。
【土踏まずの強化法③】アーチサポートの優れたインソールを使う
ここまで、土踏まずを機能させるために必要な筋肉の強化とマッサージをご紹介しましたが、実は土踏まずのアーチを支える組織には他に靭帯があります。靭帯は筋肉と違って鍛えたりほぐしたりすることができません。そして、輪ゴムと同じように、一度伸びきってしまうと残念ながら元に戻すことができません。それなので、アーチを支える機能のあるインソールを靴の中に入れると、土踏まずのアーチの形が崩れるのを防ぎ、本来の働きを取り戻すことができます。このインソールのアーチを支える機能を「アーチサポート」と言います。
アーチサポートに必要なのは、足が接地する時にかかる体重と重力の衝撃を吸収しつつ、土踏まずのアーチを元の形状に復元させるしなやかさが必要になります。ですから、体重がかかったら潰れたまま足を押し返せない柔らかい材質のものや、土踏まずの凹凸の低い形状のものでは、十分なアーチを支える力を発揮できません。それらの点を踏まえてインソール選びをすると、アーチが崩れるのを予防して、ランニング時の足の接地による衝撃が、全身に伝播するのを防ぐことができます。
■【身体の土台・土踏まずの歪みを防ぐオーダーメイド矯正インソール】
まとめ~【ジョギング】故障しないランニングフォーム
今回は関谷選手のランニングフォームを例にして、土踏まずのアーチが崩れて故障が連鎖するメカニズムについてお伝えしていきました。
土踏まずのアーチが接地の衝撃に負けて歪んでしまう人は、足首がくの字に曲がってしまいます。これを起点にスネの前脛骨や太ももの大腿骨などが捻じれて、膝関節・股関節などの負担が溜まり、ひざ痛や股関節痛の原因となります。またこの足の歪みの左右差により、骨盤の高さなどに左右差が生じ、上半身の歪みの連鎖が起こるので、肩こり・頭痛など起こりやすくなってきます。こうした故障の連鎖を防ぐには、土踏まずのアーチの強化が必要です。ご自分のランニングフォームを動画で撮ってみて、当てはまる人は土踏まずのケアを入念に行いましょう。土踏まずの強化にはインソールの使用も有効です。形状や強度をよく吟味してアーチサポートの優れたインソールを使って、土踏まずのアーチの歪みの連鎖が起こるのを防ぎましょう。
当院では、アーチサポートの機能に優れたインソールをオーダーメイドで製作しております。石膏でかたどったモデルから作るオーダーメイド品なら、インソールのアーチ部分の高さや硬さをギリギリまで追求できるので、理想的な土踏まずのアーチの状態に矯正することができます。これにより、ランニング中の足の接地の衝撃を吸収し、土踏まずのアーチが崩れるのを予防してくれるので、前述のような歪みの連鎖を断ち切り、ひざ痛や腰痛をはじめとした様々な故障の防止にも役立ちます。
サンプル品のご試着も承っておりますので、オーダーメイドの姿勢矯正インソールの製作は流カイロプラクティック院へご相談下さい。
以上のように関谷選手のランニングフォームには、私としては今後の活躍を考えるうえで懸念があるのですが、杞憂に終わり故障なく変わらない爽快な走りを期待したいです。応援しています。
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参考~【ジョギング】故障しないランニングフォーム
■『正しく歩けば不調が消える! 1日300歩ウォーキング』新保泰秀(日本文芸社)
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